• 倫子 板倉

Form can be formless 降旗一成 宮向井勇展 2022.10.30〜11.20

更新日:2 日前


Form can be formless

窓に向かって筆を執っていると、下を流れる水の音が微かに聞こえて来る。

12月にはすざましいばかりの寒雷が体をつき抜ける程に響いた。

今年の雪は金沢に来てから経験したことの無い雪だ。肌をさす空気の中で、石を彫ったり木を刻んでいる生徒達のことを考える。

この地でものを創る人々は、厳しさに耐え、耐えるだけでなく、摸索の喜びを、雲の中を透かして微かにただよっている光と影の中で味わい、よりさだかなものに向かって歩いたのであろう。

豪雪と寒さの続いた後に温かい日射しの數日が訪れた。雪どけの音がゆっくりと時を刻む。川の流れに沿って、柔らかな光とおだやかな空気が静かに揺れている。

川面の動きを楽しみながら歩いてみる。枯れた葦の傍を水鳥が泳ぎ、空を野鳥が飛んだ。

明日からの雪が報じられている。

雪に変わると、動き出した時が又動かなくなる。寂かさと、雪の風景の中に融け込んで止まっているように感じ「時」の中で、僅かに変わって行く日々が流れる。

絶えまなく変わる灰色の空と一体になった雪に覆われた街の片隅で、かすかな生の鼓動を探り、その訪れを待つ。

これは、1985年度 金沢美術工芸大学 卒業制作展・彫刻科のパンフレットに寄稿した、故・高橋清教授の「冬と 金沢」である。

この金沢のもつ風土の中で、私たちは、心揺れ動く4年間を過ごした。

摸索の喜び。そこには、祈りに近いものがあった。

それから、36年の月日が流れた。


今回「ギャラリー水の音」の知遇を得て、三回目の二人展をさせて頂くことになった。

テーマは「Form can be formless」(形は形なきものになりうる)である。これは、バーネット・ニューマンが、1948年に発表したエッセイ「崇高はいま」で語った言葉である。

形は形なきものになりうるのか、いつもものを創る時、問い続けるのである。


2022年10月30日

於岐阜 降籏一成 宮向井勇



降籏一成 プロフィール

1962 岐阜県大垣市生まれ

1986 金沢美術工芸大学 美術工芸学部 美術科 彫刻専攻 卒業

1987 岐阜県教員となる

1993  岐阜県美濃加茂市スポット公園に彫刻を設置(作品名「family」)

1995  父・勅のもと、漆喰彫刻の研究を始める(~2018) 

  降籏一成立体造形展・降籏由香里水彩画展(97.99.01~2012)(ギャラリークロッキー、ギャラリー近江 他)

アール・ボコ展(~現在)(愛知県美術館 他)

1996 降籏一成展(~02.12)(ギャラリーMOCA 他)

1997 見たい見せたい美術展(~2015)(2004より企画運営を行う)

短歌作品の造形化を始める

2000 揖斐郡池田町役場に漆喰壁面彫刻を設置(作品名「WORK-99‐10」)  

    降籏勅 一成展 鏝絵の世界(古今伝授の里フィールドミュージアム)

TV「おしゃべりらんち(左官の技術を作品に)」(NHK)に出演

2001 萌土社小品展(~現在)(ギャラリークロッキー)

2002 萌土展(~現在)(岐阜県美術館)

ぎふフラッグアート・子ども展の審査員をおこなう(~2015)

2004 岐阜駅前中央商店街修景計画 アーケード 記念モニュメントを設置(作品名「Her♥Art」)

「芸術の連鎖祭り」in IKEDA(~現在)(池田町中央公民館)

2011 降籏勅傘寿記念漆喰彫刻 降籏 勅・一成 親子展(珈琲&ギャラリーあい)

WY・KS展(ギャラリークロッキー)

岐阜県立加茂農林高等学校創立100周年記念モニュメント設置(作品名「seed」)

2012 現代美術展―現代への視点 降籏一成・宮向井勇展 ~自己との対話・他者との対話・地球との対話~

(滋賀県守山市 守山市民ホール)

2013  降籏由香里・桜子・一成展 ~flower & forest~(ガーデンミュージアム比叡 ギャラリーsoRa)

岐阜県芸術文化会議文化講座12月「芸術と私」(ハートフルスクエアーG中研修室)

2014 現代美術の視点 降籏一成・宮向井勇 二人の対話(加藤栄三・東一記念美術館)

獅子門道統大野鵠士氏より、松尾芭蕉・翁像の制作依頼を受け、現在制作中

第十五回現代短歌セミナー岐阜記念短歌大会で作品展示(十六プラザ)

2015 furuhata family exhibition 降籏勅 一成 由香里 桜子 洋輔展 Take five(珈琲&ギャラリーあい)

2016 岐阜県芸術文化奨励受賞

二人の鏝絵 降籏 勅・一成 展(珈琲&ギャラリーあい)

2017 FURUFURU’S 降籏一成・由香里・桜子・洋輔展(ギャラリークロッキー)

2019 EXHIBITION FOREST OF GENETIC 遺伝の森(ギャラリークロッキー)

2021 25th FURUHATA FAMILY EXHIBITION ぼくは棲処 (ギャラリー水の音)

    The 26th furuhata family exhibition 黄色い嵐 (ギャラリークロッキー)

    ながくてアートフェスティバル2021 (長久手市文化の家)

2022 第16回岐阜アートフォーラム コネクト展Ⅲ それぞれの住処から (上宮寺)

    萠土社有志展2022 (J-art gallery)

   Form can be formless 降籏一成 宮向井勇 -森 路地裏 パリ イコン- (ギャラリー水の音)

<所属> 岐阜県芸術文化会議 会計   萌土社会員  グループ「アール・ボコ」会員

宮向井 勇 プロフィール

<画歴>

1956  岐阜県に生まれる 金沢美術工芸大学 美術工芸学部 美術科 油画専攻卒

1991〜 アール・ボコ展出品(愛知県美術館など)

1997〜 パリ国際サロン出品(パリ、ギャラリー・ロフト・セビニエなど)

1999〜 日仏現代美術世界展出品(東京・国立新美術館など) 2005〜 岐阜県芸術分科会議芸術祭出品(岐阜県美術館など) 2012〜 現代美術展、現代への視点降旗一成・宮向井勇二人展(滋賀県守山市民ホール)

2013〜 「芸術の連鎖祭り」in IKEDA 出品(岐阜県池田町中央公民館)

2014〜 二人の対話、現代美術への視点 降旗一成・宮向井勇 (岐阜市、加藤栄三・東一記念美術館)

2019.2020.2021(3回連続) サロン・ドートンヌ(フランス・パリ・シャンゼリゼ通り〜プチパレ特設会場)

2021〜cafe neo 淡墨桜 常設展示(岐阜県本巣市根尾、淡墨桜公園内) 、

<受賞> 

・日仏現代美術世界展   大賞、日仏賞、パリ国際サロン賞(2回)、フナオカ賞、クサカベ賞

・サロン・ドートンヌ入選(3回)

・国指定天然記念物 根尾谷淡墨ザクラ 指定100周年事業 感謝状受領

<作品等掲載>

・フランス美術雑誌「ユニベール・デ・ザール誌」に作品掲載

・「サロン・ドートンヌ1903年から2020年までに記念誌」に名前が掲載(ロダン、ルノアール、セザンヌ、藤田嗣治などと共に)

<所属>

グループ「アール・ボコ」代表 岐阜県芸術文化会議理事 JIAS日本交際美術家協会会員       







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